巨大化したカラシ菜&ラディッシュ・ハクサイの種取り

種・遺伝子・在来種ほか

こんにちは。
神奈川・相模原の里山(相模湖)で自然農を営む「すどう農園」です。

こぼれ種で生えてくるカラシ菜の体格が、年々巨大化しています。
来年で11年目を迎える「さとやま農学校」を始める前からのこぼれ種ですから、もう10年を越えます。写真ご覧いただけるように、発芽してからのスタートダッシュが逞しいのです。ここまで大きくなるとタカナのように重しで下漬けしてから本漬けするのが食べやすいです。古漬けになって乳酸醗酵の匂いがしてくる頃がキムチと同じで滋味がありますね。最近は漬物をする人が減ってしまって(私も偉そうなことは言えませんが)こうした漬物向きの野菜はあまり人気がないです。冬が暖かくなって漬物がカビやすいのもあるかなと思います。

カラシ菜と一口に言っても、これまで色々な漬け菜の仲間を育ててきたので、それらが交雑に交雑を重ねているので、それによる雑種強勢効果もあるのでしょう。それが無数に種をつけて、畑にこぼれた種のうちで強いものだけが生き残ってこうなった。選択淘汰を何年も繰り返して、今やこの畑の主になりました。それだけに初夏の菜の花の海は黄金色で見事です。

大きな森みたいな葉陰には冬の寒さから逃げてきたアブラムシもいるし、またそれを食べるテントウムシもいます。これでひとつの生命圏ができているのです。

別の畑でラディッシュの収穫をして、元気な子たちを種取り用に移します。
この子たちは自給する以外は「こども食堂」にお届けします。なので種を採るときの基準も、形をそろえたりはしません。むしろ真ん丸や細長いもの、色が真っ赤な子や白っぽい子、色々いた方が愉しいのでバラエティーを持たせています。自家採取は規格品をつくる必要はないのですからバリエーションのあった方が面白いじゃありませんか。台所で料理するときも、色々な形のラディッシュをまな板に並べたりして、眺め比べてしまいますよね。

こちらはハクサイのタネ取り用の母本を定植しているところです。
今年の猛暑のなかでも頑張ってここまで育ってくれたハクサイを、これも大事に見守って種取りします。自家採種は、この気候変動の時代にあって、ますます大事になってきます。しかし、このタネを巡る動きが、この先どうなるか予断を許さないところです。バイオ・食品企業による遺伝子特許としての囲い込み、それを後押しし・連動する日本政府(農水省)も、数年前とは言っている内容が変わってきています。あるいは情報を公開しない。一体誰のための食なのか、と憤懣やるかたない気持ちになります。いま問題になっている自民党安部派の裏金問題にしても、企業の政治献金を規制する規制法が抜け穴だらけのザル法になっているために、規制されることなく政治家に届くようになってしまって、それが食品業界などへの歯止めが利かない仕組みにもなっているようです。この辺のところは来年になってからまた国分寺のカフェスローさんで印鑰さんをお招きして連続講座を始めます。
しかし、大きな状況はそれとして、とにかく種を採り続けましょう。私たちが生きる原点は食べることです。まっとうなものを食べる権利の原点が種です。そして何よりも種採りは愉しいのです。3月から始まる「さとやま農学校」でも、皆さんと一緒に蒔く種のほとんどは自家採取したものです。タネをまく、種を採る、命をつなぐ。とてもシンプルで大事なこと、一緒に進めましょう。

さとやま農学校2024・受付中です

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