シュロの葉のカゴ編み

ハーブ&手仕事

シュロの葉のカゴ編み。
「さとやま農学校」には正規の講座だけでなく、有志の皆さんによる自発的なサークルがいくつかあります(これが「農学校」の面白いところなのですが)。そのなかの「和綿サークル」では岸田紀子さんが水先案内人となってワタの栽培から収穫、そしてその先の一連の手作業をやります。その岸田さんが、農学校に立ち寄ってシュロのカゴ編みの様子を見せてくださいました。手仕事の熟練の方なので、編み物みたいにずうっと織り続いていきます。放っておいても手が動くのでしょうね。

こんな具合に、シュロというのは非常に美しい素材なのだと目に沁みました。
すどう農園にはシュロはありませんが、周囲の民家の庭先にしばしば植えてあります。今はほとんど観賞用なのでしょうが、かつてはシュロの幹に生えている剛毛を下から必要なだけ抜き取って、それでタワシにしたそうです。実際に触ってみると、シュロの幹はイノシシみたいな剛毛でびっしりガードされていますね。そのため、立木のシュロを切るのはとても難しいです。ノコギリだろうがチェーンソーだろうが、歯の間に剛毛が詰まって切れないのです。必ず切る部分は剛毛を虫ってきれいにしなければなりません。しかもシュロの幹は非常に硬いです。だからお寺の鐘を撞く撞木(しゅもく)はシュロの幹なのだそうです。なんとマルチな工芸作物でしょうか。シュロの木が一本あれば毛も葉も幹も、そして実は鳥の食べ物になります。それゆえ、鳥の糞からこぼれたシュロの種が、森の中でぽつんと育っているのでしょう。

里山は手しごとのパラダイス

里山の暮らしとは、このように色々な植物と出会い、寄り添うなかで、食べものや住むところ、身に着けるものや熱や灯りを得てきたのでしょう。人間に必要なものは、ほぼすべて里山にありました。
時代をかつてのようにリセットすることは無理ですが、人間と里山の関係を、もっと寄り添うようなものにできないかと、ずうっと考えてきました。一方的に収奪するばかりでなく、普段から慈しんで「お互いに育てあう場」としての里山です。
スタッフの皆さんと植えつつあるハーブや果樹、そして鳥やハチや蝶を呼ぶための植物も、この猛暑の夏を生き延びて静かに佇んでいます。またこの秋から次の仲間も植え付けていきます。そんなばしょづくりをいっしょにたのしんでくださる会員制の場所を、まもなく始める予定です。詳細はこのブログやメールマガジンで告知をします。どうぞお楽しみに。

さとやま農学校の説明会について

さとやま農学校2024コースの説明会が11月から始まるのにあわせて2024コースの日程と参加費用も決まりました。 2024コースにお申し込みをご検討の方は、どうぞ現地説明会においでください。また、どうしても説明会の都合がつかない方には、後日オンラインでの説明会も開催の予定です。

さとやま農学校2024 現地説明会

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