こんにちは。
神奈川・相模原の里山(相模湖)で自然栽培を営む「すどう農園」です。
「さとやま農学校」も、秋の種まきラッシュを迎えました。
残暑が厳しいので、種まきを数回に分けてリスクを分散しています。
春のおさらいを含めて、改めてゆっくり土を触る。
とはいうものの、皆さんここまでくると相当に慣れてきてます。涼しくなったこともあって、作業のスピードが速くなりました。40m以上の畝の草取りも全員で瞬く間にこなします。毎年のことですが、ひと夏を過ぎ越した皆さんの作業の上達ぶりには目を瞠るものがあります。
でもしかし。そこをあえて、ゆっくり土に触れて欲しいと思います。
私たちが刈った草を、ミミズたちが食べて作ってくれた「段粒構造」のポロポロした感触や、醗酵して土に変わっていく枯草のとろけ具合や、指でまさぐる土の下の世界の様子・・・冷たいか暖かいか、湿っているか乾いているか、生き物は何がいるか・・・何度も繰り返すように、五感を動員して欲しいところです。先日のカフェスローでお話を伺った「大地の再生」の藤井麻紀子さんも、とにかく現場で感じることの大切さを説いておられました。心から同感です。
タカキビは、あまり量は作っていないのですが、大事な作物ですので、ここから種を採って来年はもっと増やしたいと思っています。先日、雑穀の栽培に取り組む上野原・西原地区の皆さんを訪ねて、改めてその豊かな世界に魅了されました。その上野原市と相模原市(主に私たちのエリアである緑区)、大月市などの一体が雑穀街道として国連のFAOに「世界農業遺産」の申請をしているのだそうです。そもそも今年は世界雑穀年なのだそうです。私も不勉強なので知りませんでした。しかし相模原では、雑穀を作っているのはほんの僅かなのですね。地元でも知らない人が多いでしょう。名前ばかりの農業遺産になってしまわないかと懸念するところです。
作業の合間にお茶会で一息。
呼びかけも準備もすべて農学校の皆さんの自主企画です。
こういう時間が大事と思います。横のつながり、ご縁ができてそれがまたいろいろと広がっていくことでしょう。
気が付けばクサギも実をつけ始めました。
周囲の田んぼのイネ科いrも、今年は台風の直撃もないので順調に進み、秋の気配です。
昨日9月28日のように。いきなり33度という飛んでもない残暑の反撃もありますが、日照時間が短くなった分、朝夕は冷え込んでいきます。寒暖差に翻弄されることの多い秋ですが、こんな時こそ小さな農はしたたかであると思います。小さな農というのは生活のすべてを農業収入(現金)ばかりに頼るのでなく、他の生業も建てながら、ときに周囲と協働して食べるものを作る流儀です。
そんな小さな農の仲間が、もっと増えることを願って、今年も「さとやま農学校の説明会」を開催します。どうしても来られない方には後日オンラインでの説明会を開催しますが、できるだけ説明会にお越しになることをお勧めします。まさに現場を見る、ということの一歩です。