里山で自然農を営む「すどう農園」では、オオブタクサなどの枯れた茎葉を集めることは、落ち葉かきと並んで大事な冬の作業です。 オオブタクサは簡単に2mを越えて育つ厄介者です。
上の写真は7月の、ご近所の荒廃地に生えてきたオオブタクサです。
ほとんどモンスターですね。
花粉はアレルギーの元にもなり、風で飛散するので花が咲くと周囲にも増えてしまいます。
ここまで来ると、もう戦意喪失になってしまいます。
しかし、花の咲く前に刈ってしまえば、有用な有機物ともいえます。
炭水化物の量が面積あたりにすれば相当あるからです。
動画でご覧いただけるように、オオブタクサの茎葉は、非常に太いです。断面は500円玉を上回ります。木ではないので簡単に折れますが、これだけの太さであれば、相当な繊維質を得ることができます。植物繊維とはつまり炭水化物の大きな分子です。これが昆虫や微生物などに分解されていけば、たっぷりと土の栄養になります。
「自然農を学ぶ・さとやま農学校」でも、周辺の遊休農地を再生させたエリアがありますが、かつてオオブタクサが茂っていた跡は、まったくの無肥料でも実に見事に植物が育ちます。エルダーフラワーなども、農園の他の場所よりも、はるかに育ちが良いのです。
さらにもう少し、オオブタクサを擁護(?)するならば、ここまで競争力が強いと、地表を守ってくれるだけでなく、他の雑草が出てくる余地を与えません…この点は、在来の植生を破壊するというご批判もあるでしょうが、そもそもは農地ですので、在来の植物が生える余地はなかったわけです。
そしてオオブタクサの茂る中は、意外と明るいのですね。他の下草も生えないから。
つまるところ、一つの現象には良い面も悪い面もあります。
一面だけを取って、一方的な評価はしないほうが良い。それはパーマカルチャーの原則にもあるように「問題こそは解決」です。
勿論除草剤などは問題外で、しばしば除草剤でブタクサを枯らす場所も見かけますが、しょせん効果は一時的なものですし、散布した後の焼け跡みたいな風景の悲しいこと。
ポイントは:
オオブタクサを花が咲く前に刈る(ここが大事!そうしないと種をつけて周辺に迷惑をかけます)、それを畑に返すことで里山の循環ができてきます。この後で生えてきた草は、「大地の再生」の手法を使った「風の草刈り」をすることで、手の入らなくなった荒廃地のケアにもつながります。 自然農を学べる「さとやま農学校」で、こうした自然界の循環について、根っこのところから学べます。手法に走るマニュアル的なことを教えるのでなく応用力のつく形で自然農を学んでください。どこに移住しても役に立ちます。
循環する自然界から自然農を学ぶ・さとやま農学校
さとやま農学校は、首都圏から日帰りで自然農を学べます。
実習と講義、資料アーカイブ、そして自主作業はいくらでもできます。
入学は随時受け付けています。
出来れば事前に「自然農のお試し体験と説明会」に来られるか、または「すどう農園」の単発イベントにお越しください。現地の雰囲気を感じて頂けます。