
こんにちは。
神奈川・相模原の里山(相模湖)で自然農を営む「すどう農園」です。
「自然農を学ぶ・さとやま農学校」の皆さんと獣対策のフェンスの設営をしています。
写真でご覧のように、イノシシ対策の電気柵は張り巡らしてあるのですが、夏場になると電線に草がかぶさると漏電して効かなくなります。しかし、電気柵の通電状態を守るための草刈りは、夏場はとりわけ面倒なものです。
そこで、毎年少しづつ金属製のフェンスに差し替えています。
差し替えのもう一つの理由はシカ対策です。
今はシカは来ていませんが、もしシカが来たら、電気柵は今60センチの高さですから効きません。
いつシカが来ても大丈夫なように、そのための対策でもあります。差し替えのもう一つの理由はシカ
しかし、写真に見える直線部分だけでも40mを越えますから、トータルで大変な距離になります。ネットは網だと噛み切られてしまうのですべて金属製のフェンスなのですが、この費用も半端ではない。防衛予算は、毎年重たいのです。
「こんなにカネかけるくらいなら畑を辞める」ということで放棄されてしまう畑も少なくありません。気持ちは非常によくわかります。私とて、自分だけで農業をやっていたら、いつ折れてもおかしくないです。

その点「さとやま農学校」は、都市部の皆さんが一緒に里山を守ってくださるので続けられます。本当にありがたいことです。
昨日の作業は、使わないトマトのアーチ支柱を挿し、それらの足元を直管パイプで連結しました。次回は地上1mの高さで直管パイプを連結してから金網を緊結(きんけつ)します。最後に防草シートにU字ピンで固定。このときに、外側に向けて金網を20センチ以上折り返すのが鉄則。とにかくシカでもイノシシでも、まずは下から攻めてきます。
イノシシもシカも柵を飛び越えると言いますが、それは余程のモチベーションがあるときです。飛び上がって着地するのは獣にとっても非常にリスクがあるので、まずは警戒深く、下から潜ろうとします。
「電気柵をやっても無駄だ」などと、投げやりにあきらめる農家さんも多いのですが、おそらくはどこか基本的な設置方法に隙があるのでしょう。例えば電気柵のアースを、きちんと配線していないとか。
動物たちは、人間が想う以上に、合理的に手順を取って行動しています。無駄がないのですね。
なので鳥獣害については感情的になっても仕方ない。
「なぜ、どうしてこのような行動をするのか?」ということを、観察して想像して考える。そのうえで専門家の知見は重要です。先日の「大地の再生と自然農」の講座でも、貴重なことをたくさん教わりました。
「自然農を学ぶ・さとやま農学校」は各コースとも今年の最終回を迎えます。そのあとは梅の剪定やお餅つきなどして一年を〆る。早いものです。
「農学校の見学会」は1月も開催します。HPをご覧の上、おいでください。ご一緒に軽く作業をしてみましょう。

