無農薬栽培のヤマイモづくりを学ぶ
神奈川の里山で自然農の野菜づくりを学ぶ「さとやま農学校」で、ヤマイモの収穫が始まりました。
過去ログもご覧ください。
ヤマイモの植え付け 2023・5/10
https://www.sudofarm.net/20230510yamaimo/
ヤマイモそびえる 2023/5/31
https://www.sudofarm.net/20230531yamaimo/
ヤマイモのムカゴ 2019/10/21
https://www.sudofarm.net/20191021/
ヤマイモと一口に言っても、様々な種類があります。
例えば「自然薯」と呼ばれるものは、山の中で自生する薯(いも)です。これは野生のキノコ同様、大変に貴重なものですね。地元の人ならばここぞという秘密の場所があって、お目当ての薯を秋になると途中で折れないように慎重に掘り上げていく。時に1mくらいになるようなものは高級品で、かつては中央の政治家に陳情に行くときは、この自然薯を箱に入れて恭しく捧げたものだという話を年配の方から伺ったことがあります。はたして今ではどうなのでしょうか。それほど貴重な自然薯を貰っても、その価値が分かる政治家などいるのかどうか。
市販されているヤマイモは、その形から長いものと丸いもの、平べったいハート型の「ヤマトイモ」などに分けられます。それぞれの名称は地域独自の名称だったりして混合しているので、あまり正確なところは分かりません。それから露地で作るものとハウスで栽培されるものがあります。市販の商品にするときに大事なのは表面がセンチュウ(土の中の生物)に舐められて線形の跡ができてしまうことです。こうなると商品価値がぐっと下がるのです・・・どうせ皮なので剥いてしまえば関係ないのですが、なにしろ日本人は無駄なほど外見にこだわります。それからカットして売る場合には切り口が変色しないように薬で処理してあります。見てくれのためには副作用もへったくれもなく薬を使うこの修正はどうにかならないかと、ほんとうに嘆かわしいですが、とにかく薬をよく使うのがこのヤマイモ類です。センチュウは土壌にいるものですがオーガニックな畑であれば、ミミズなどがセンチュウ類を食べてくれますのでそれほどの被害にはなりません。ところがいったんセンチュウを目の敵にすると、薬剤で全滅させなければという発想になります。例のゼロコロナと同じですね。ウィルスをゼロにするなどと言う非科学的な題目を掲げて、それに従わない人間が虐げられる構造と共通しています。それでハウスの地面にびっしりシートを張って、クロロピクリンのような薬剤を地中に圧力をかけて打ち込む。こんな作業をする農家も大変なものです。私は絶対にやりたくありません。
今年は丸い品種を選びました。いままで農学校で造っていた長芋系と比べると圧倒的に芋ほりが楽です。あのスリリングな芋掘りをやると、めいっぱいハマるのですが、時間がかかりすぎて掘り切れないままに残ってしまうこともあります。そしてこの丸い品種は粘りが非常に強いのです。芥川龍之介の小説「芋粥」に出てくる薯はおそらくこのような品種ではなかったかと想像して、美味しくいただくことにしましょう。もちろん粥でもよし、揚げて真薯にしても美味ですね。
自然農を学ぶ「さとやま農学校2024」開講します。
来月11月と12月に、恒例の現地説明会があります。
貸し農園では味わえない広大な里山空間を、まずは五感で感じてください。焚火もあります。
説明会が都合のつかない方にはオンラインの説明会も後日あります。日程が決まり次第にメールマガジンでお知らせします。