寄り添って踊る

連休の始まり。朝一番で農園の苗に水やりをしてから足立区の舎人公園に出かけました。
昨年もちょうど連休に集まったから一年ぶりです。
あまり知られていませんが、ここは都内で最大の公園だそうです。
足立区のイメージとはまるで違う(失礼!)穏やかな森が広がります。

かつて「月夜果実店」で一緒に演劇をしていた旧友の新井君。
「体奏(たいそう)家」として、全国各地で野口体操をベースにしたワークショップを開催してきました・・・ところが。

新井君は数年前から難病のALSを発症してしまいました。
身体を使って表現してきた彼が、よりによってその身体が段々と動きが取れなくなっていくという皮肉な運命なのですが、いま本人の言葉を借りれば「不自由を愉しんで生きる」ということです。そこまで言えるようになるために、どんな心の道筋を経てきたものでしょうか。

かつての仲間数名で集まり、思い思いに楽器を奏でたり、森の中で寝ころんだり起きたりしながら、ゆったりと一日を過ごしました。かつて一緒に過ごした濃密な日々も思い出話に浮かべながらの時間。

なんとなく新井君とパートナーの板坂さんにカメラを向けると踊りが始まりました。
私も少しだけ即興で踊りというか、寄り添うように体を預けてみました。こんな風に舞踏をするとは、かつては夢にも思わなかったものですが・・・。
言葉のない表現というのは、無心になれて良いものですね。
呼吸をするだけで身体が動きますが、そこにわずかな内発的な動きを塗り重ねるだけで良いのです。誇張は一切いらない。そういう心境に慣れました。



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