まっすぐな道は寂しい

自然農の畑にパーマカルチャーデザインを取り入れる

こんにちは。

神奈川・相模湖の里山で自然農を営む「すどう農園」です。

ーまっすぐな道は寂しいー
  
種田山頭火の句でしたか?
確かにまっすぐな道は寂しいですね。
では、なぜ、まっすぐは寂しいか?
そもそも、自然界に直線はありません。
直線の道に寂しさを感じるゆえんは、そのあたりにあるのでしょう。
皆さんはいかがですか?

逆に、ゆるく川のように蛇行している道は楽しい。
パーマカルチャーのデザインの原則の一つにエッジ効果(境界)というものがあります。
二つの世界(相)が接するエリア
~例えば海岸の波打ち際や、異なる民族の接する国境地帯や、あるいは森と里の接する里山など、
これらはどれも、異なった世界同士がお互いに影響を与え合うことで豊かになる、というものです。
ですから通路ひとつとっても、直線というのは道の中と外の境界が短い、つまり「貧しい」のです。
境界を豊かにする、つまりリアス式海岸のように複雑になるほど、その境界効果は高まります。
これは実際に観察してみると面白いです。
というわけで・・・。

「さとやま農学校」で畑の中の通路をゆるく曲げて、さらに溝切をしました。
ここは歩く人が多いので、まっすぐにすると踏み固められてしまうのです。
そこで「大地の再生」で教わった脈づくりの考え方を拝借して、溝に小枝や落ち葉を入れてしがらみを作ってみました。ただし、この上は通路になるので土をかけてしまうので「大地の再生」とは違うところです。

曲がった通路のカーブのところには切り株を埋め込んでみました。
そうすると、ヒトは切り株を避けながら歩きます。
そのときに、カーブの具合を見ながら、ついでに通路の周囲にも気を配ります。
これが実は大事なのです。
まっすぐな道だと、ヒトは目的地にばかり意識が行ってしまいます。
今歩いている足元を、すっ飛ばしてしまうのですね。
通路の脇の野菜や草花の様子に、それほど目を留めないこともある。

逆に子供たちは、目線が低いのでよく見ています。
虫や花や、アレコレを目ざとく見つけて観察しています。
同じような目線を、大人にも持って欲しい。
それで、通路を曲げてみました。


最後の写真は、昨年の講座「大地の再生と自然農」で溝をきったところです。
あの時に皆さんと作った脈が今も生きいきとしています。

夕べから久しぶりの雨で、今日の昼間は暖かく気持ちの良い一日でした。
こんな雨が何度か来れば緑も潤ってくるのですが。

さとやま農学校2025 4月以降も、随時参加できるようになりました

「さとやま農学校2025」コースは、今年からは入学随時という形に大きく変わります。
3月だと年度の切り替えで参加が難しい方も、入学した月からグルっと1年間、講座に参加できます。詳しくは「自然農のお試し体験と説明会」でご案内します。
まずは現地を感じてください。

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