こんにちは。
神奈川・相模原の里山(相模湖)で自然農を営む「すどう農園」です。
冬らしく晴れた青空の下、枯れた草を集めて畝に敷いていきます。
枯草の中から、暑い夏を生き延びた仲間たちがすうっと姿を現します。
草葉の陰、という言い方はさすがに例え方が違いますが、でも文字通りに「草の陰」で猛暑を避けながら生きてきた面々です。
こんな風景に、再生という言葉を思い浮かべました。
今までは初夏の寒いなかで、小さな芽生えに再生を感じ取るものですが、今年はむしろ「夏を越して生き返ったぞ」という感じがします。
上は愛しいコムラサキシキブの実。
冬になって鳥を誘う樹の実もあります。
鳥は、こうした実を食べて、その糞をするときに種を遠くに運びます。
植物は自分では移動できませんが、結果として自在に移動します。
ここが私たち動物との大きな違いです。
「動く」という行為を、動物は個体のレベルで行います。
植物は一つ上の「種」のレベルで実践します。
このように自然農では、野菜だけでなく果樹や薬草、あるいは鳥やチョウやハチや、ミミズや微生物が、お互いに支えあうような場所であることを目指します。
持続的な場所づくりを目指すパーマカルチャーでも、あるいは立体的に農地を創生するアグロフォレストリーでも、基本は共通しています。
「自給のための自然農を学ぶ・さとやま農学校」でも、野菜や果樹と一緒に、写真のようにフジバカマやコムラサキシキブなどを植えています。
色々なイノチが多様に関係を作ることが、なによりも安定につながるからです。単位面積当たりの収量あるいは時間当たりの生産高という発想はしません。それはあくまでも人間中心の尺度なので、数字で表せない価値が切り捨てられてしまうからです。
「里山の自然農体験」で自然農の入り口を体験してみませんか。冬場は、ゆっくりと自然界の様子を感じることができます。2月いっぱい開催します。