
こんにちは。
神奈川・相模原の里山(相模湖)で自然栽培を営む「すどう農園」です。
2025年も既に空梅雨の気配です。
他の所でも書きましたが、おそらく気候変動によって、かつてのような梅雨はなくなったのでしょう。
前線が停滞して、降ったりやんだりする梅雨は、ジメジメするイメージが強いですが、
この梅雨があればこそ、地上地下の水脈を潤しているのです。
たまに降る雨は警報級の豪雨が多くなり、それは地下にゆったりと寛容されるというよりは表土を荒ぶれて削り、ときに土砂崩れのような崩壊を引き起こします。
とはいっても、平野部でコンクリートに囲まれて育った人には、ピンと来ないでしょう。それは私自身がそうでした。雨は下水に行くものという漠然とした感覚以上のものがなかったのですね。
そんな空の下でこそ、自然農は、二重三重に意味があります。
まず何よりも、自然界がどう動いているのか、そのことが、とりわけ都会の人に、改めて身体的に感じられてくるということです。上に上げた水のこと一つとっても、畑の際まで農業用水のポンプが来ているわけではありません。空の水が地下に届き、それをまた地表に戻して使う。そんなやり取りから覚えるのです。

「自給の自然農を学ぶ・さとやま農学校」で続けている自然栽培・無肥料栽培のニンジンの種取り。
品種は黒田五寸です。
一番上の写真でご覧のように、花の熟し方はまちまちです。
これがニンジンにとってはリスク分散になっているのかもしれません。
既に大きな花、上方の花を選んで、小さな花は間引きました。
こうして取れ始めた種を、しばらく冷蔵して、それからまた7月の中旬に蒔き始めます。
少し寒さを経験させることがポイント。
種まきの日が決まっていれば、それに合わせてタネを湿らせておくのもいいです。

この暑さの中でも発芽してくるニンジンたち。
このニンジンは昨年2024年に採取したもの。
つまり2023年の7月に蒔いたものです。
乾燥を嫌うニンジンのタネを、乾燥に強いスベリヒユが奥から葉を広げて守ってくれます。
自然界の妙味。

種を蒔く前に足でしっかり踏みしめて、転圧します。
この時の足裏の感覚で、土の様子を整えます。
これも非常に大事。
そしてタネを蒔いたらまた踏みしめて、それから水やり、また踏んで水やり。
翌日も、翌々日も、晴れていれば水を上げます。
さとやま農学校のニンジンは、40mが4列。
つまりトータルで160mあるので、水やりだけでも一人だと相当な時間ですね。
でも、発芽してくれた時は嬉しいものです。
何か一つでも、自給をしていきましょう
ニンジン一つでも、例えばプランターで自給することはできます。
種を蒔いて、芽が出て、育てて食べて、もしも量があれば、その中の数本を取らずに残して種を取る。
そんな循環から、自然界とつながっていきませんか。
気候変動だから・・・という義務感ではなくて(それでは続きませんし)
あくまでも自然農は楽しいのです。
その一歩になる「さとやま農学校・秋のショートコース」に是非ご参加ください。
夏の気配が残る9月から、冬空の12月まで。
月に1回、無理なく通えます。