江戸在来野菜・大蔵大根の収穫

さとやま農学校

猛暑2024年と自然農~大根の巻

こんにちは。
神奈川の里山(相模湖)で自然農を営む「すどう農園」です。

江戸野菜の代表格・世田谷の、大蔵大根の収穫が「さとやま農学校」で始まりました。
今までの暦では、大蔵大根の種蒔きは、8月25日頃が目安です。
ところが今年の猛暑では、蒔いた種が発芽しても暑くて灼けてしまうのです。
小さな菜園であれば毎日水やりなどしてケアできるのでしょうが、さすがにそうはいきません。
40メートル近く蒔いた畝がどれもこれもチリチリになってしまう事態が、何度か続きました。

こういう状況になると、切実に「これはただ事ではない!」というのを実感します。
幾度目かの種まきがやっと落ち着いて、間引きをしながら収穫にこぎつけました。

本日収穫した大蔵大根です。
葉の重さと白い部分の重さがほぼ等しい、理想的な出来です。

こちらは、もっと大きく育ちました。
少し下ぶくれのところも愛嬌がありますね。

これは、およそ一か月前の間引きの様子です。
こんなに細い子が、ぐうんと育つのですから、不思議なことです。

こうして収穫したダイコンのうちから数本を選んで畑に残し、それをまた来年の夏に種採りします。
このようにして農園の主だった野菜は、自家採種でつないでいますから、畑の土や気候風土をしっかり記憶に刻んでいるのです。市販の種の多くが外国で生産(採種)されていることを考えれば、この違いは大きいですね。タネの記憶、という表現は非科学的に聞こえるかもしれませんし、私たちが学生の頃は「生育環境の経験が次世代への遺伝子に刻まれることはない」と教わったものですが、最新の知見「エピジェネティック理論」では、どうやら生育環境の情報が遺伝子に蓄積されるらしいということが見えてきました。となるとやはり、自分の畑で種をつなぐことの意味が、改めて確認されてきたわけです。気候が厳しければ厳しいほど、その土地で生き延びる知恵が、種の遺伝子にも蓄積されるのだということです。

自給の自然農を学ぶ・さとやま農学校」では、種取りも学びます。
11月いっぱいであれば「さとやま農学校の見学会」で講座の様子も見ることができます。
自然農の自給は、愉しく美味しく、ワクワクする世界です。
どこまでもキリがないワンダーランドをご一緒しましょう。


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