鳥の巣を編む@さとやま農学校プレ講座

さとやま農学校

こんにちは。

神奈川・相模原の里山(相模湖)で自然栽培を営む「すどう農園」です。

自給のための野菜作りを学ぶ農業体験「さとやま農学校2024」は3月からスタートですが、それに先駆けて1月と2月はプレ講座をしています。寒くても大丈夫な希望者の方だけで、ゆっくりと畑の準備をします。今日は3回目。さとやま農学校でお馴染みの「鳥の巣」を新しく編みなおしました。
剪定した枝を太いもので大枠をつくり、あとは細い枝や短い枝を縦横に差し込んで編んでいきます。まるで大きな鳥の巣です。このなかに枯草などをザクザク放り込んで積み上げていきます、一年もすれば下の方からだんだんと腐植になってきます。堆肥という程のものではない、あくまでも積み上げただけの腐植です。これを畑に敷いていきます。堆肥づくりのように上下を切り返したり、トラクターで畑に漉き込んだりしません。そもそも「さとやま農学校」の皆さんはトラクターなど持っていない人たちなので、ここでトラクターを使ってしまったら学びになりません。森の落ち葉や枯れ枝が段々と土に還るのと同じ仕組みです。だから楽なのです。
 剪定した枝の太いのも細いのも一緒に編み込んで巣を作ります。かつては水辺のヤナギを切っては編んで「しがらみ」をつくり、護岸をしたそうです。コンクリートと違って、急流の勢いを吸収しながら殺し、あるいは枝の隙間には小魚や水棲動物の巣もできる。多機能を備えた共生空間でもあるのです。巣作りは人間にも愉しい作業です。もっと枝があればもっとできます。昨年の梅の剪定枝がまだたくさんあるので、それで他の場所にもしがらみを創っていきたいものです。夏にできない造作ができるのが冬の愉しみ。でも意外と冬は短いのです。

写真のような、小枝が腐りかけたものも大事です。これはたっぷりと集めて夏野菜の畝に持っていきました。こうしたものは、知らない人から見ればゴミですが、自然農法では大事な自然循環の宝物。これが巡り巡って美味しい野菜になるのです。

後半は草と対話です。春の草、土の仕組みを説明しながらひととき、草と戯れました。
今日は風がなくて小春日和。

こんな風にイネ科の草を観察。
根の周囲の土は微生物の宝庫です。

九州の在来種・かつお菜。先端の若い葉を摘んで食べます。

最後は、冬から残っている青菜の若くて美味しそうな部分だけを摘んで収穫。冬の間の自給菜園は、こんな具合に春が来るまでの間、あるものを大事に収穫していきます。
「さとやま農学校2024」説明会は、暮れにインフルエンザが流行してキャンセルが多かったので、来月2月に臨時開催をします。説明会の日程はこちらです。立春を過ぎての開催なので、軽く作業の体験などもしてみましょう。お昼には終わります。どうぞお越しください。

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