自然農の実り・2023猛暑を過ぎて

自然農&里山暮らし

こんにちは。

お彼岸過ぎまで33度のぶり返しがあったのが嘘のように冷えてきましたね。
本来の10月はこんなものですから、寒いのは良いのですが、猛暑で少し遅らせていた種まきなどは戸惑ってます。例えばダイコンなどは、かつてはお彼岸までに種をまけば、あとは何もせずに元気に育ってくれたものです。けれども今は残暑のせいでダイコンを食害する虫(たとえばダイコンサルハムシやキスジミノハムシなど)が、いつまでもいなくなりません。昔は使うことのなかった防虫ネットである程度は防げますが、万能ではないですね。その分種まきを繰り返していきますが、ここまで気温が下がってから種を蒔くと、たとえ不織布などしても収穫は遅くなります。
そんなわけで葉物類はなかなか厳しいのですが、もちろん収穫の秋は始まっています。
上の写真は「さとやま農学校」でのラッカセイの収穫の様子です。受講生の皆さんと力を合わせてドッと掘り上げます(農学校は大きな畑を一緒に耕して収穫も一緒にやります)。そうしてラッカセイの実を取り外したら、あとは土に還します。家畜がいれば食べさせてあげたい、見事に美味しそうな枝葉もミミズや微生物たちのごちそうになることでしょう。ラッカセイだけでなくマメ科の植物の根には「根粒菌」というバクテリアが共生しています。根っこの表面に小さなゴマ粒ほどの粒粒がたくさんあるので分かるのですが、それももちろん根と一緒に土に戻します。

無肥料栽培とは

無肥料栽培というのは、まったく何も土に入れないで魔法のように野菜が取れ続けるということでなく、そこにはシンプルな仕組みがあります。つまり、今のラッカセイのように大きく育った枝葉も根も、そこに還していくということです。その源は、太陽のエネルギーと雨ですね。
「無肥料栽培では土の栄養がなくなる一方だから持続するはずがない」という批判も良くありますが、中学校で習ったことを思いだせば、まったく的外れな批判であることが分かります。そもそも肥料なしで育たないのであれば、森はどうなるのか?考えずともわかることでしょう。
そんな誤解にいちいち応えるのも大変なので、すどう農園ではあまり「無肥料栽培」という言い方はしません。「循環を基本にした野菜づくり」とでも表現した方が分かりやすいですね。

自然栽培のローゼル(ハイビスカス)の収穫

上の写真はローゼルの花です。ローゼルはローズとは全く別のもので、お茶にするハイビスカスの仲間です。つまりオクラやワタと同じアオイ科の仲間ですから、花の姿もよく似ていますね。とても清楚な花は、目を癒してくれます。その花を終えると下の写真のように鮮やかな深紅の愕(がく)ができて、それを「すどう農園」では煮詰めてシロップにしています。もとのローゼルそのままの鮮やかなシロップになります。藤野駅前の「観光案内所ふじのね」や相模原市観光協会のアンテナショップである「sagamix」などで扱っています。
あとは「すどう農園」の講座やイベントなどで直接お買い求めいただく形になります。

ハイビスカスは膨大な品種がありますが、ローゼルもまた種類があります。手前の紅い花の咲いているローゼルとは別にピンクの花を咲かせる品種があります。上の写真のちょっと奥に見える大きく茂った株がピンクローゼルです。花の色がやや薄い。

かまどの煙が恋しい季節になりました。
畑で作業をした後は、このかまどでご飯を炊いたり、熱い汁物を作ったりします。
農業の愉しみは、なんといっても、収穫したものを食べることにあります。それもみんなで共食できればもっと美味しいですね。コロナ禍の影響もあって、ますます食事を巡る風景が孤食になりつつあります。自給の菜園もまた、お互いが自分の小さな区画だけやって、お隣の畑のことは基本的にノータッチ。そんな個人主義的な傾向になりつつあります。でもそれは憂うべきと思うのです。一緒にやればこそ、この夏のような猛暑もやり過ごすことができます。その分だけ収穫した喜びも大きいものです。

昨日の「さとやま農学校」のランチは栗ご飯。季節を感じますね。

国分寺の古代赤米の収穫

古代赤米の収穫も5年目を迎えます。
藻とは国分寺市内に伝わる在来の赤米です。これを地域の篤農家の方が数十年、種を継いでおられたものを国分寺の皆さんがプロジェクトとして継承に取り組んでいます。すどう農園も「カフェスロー」さんでの講座のご縁から、この古代赤米を譲り受けました。ご覧のように一般的な品種ほど穂は大きくありませんし、何よりも登熟するにしたがってポロポロと粒がこぼれ落ちるのです。本来の穀物とはそのようなものですね。まさに「一粒の麦、もし死なずば」の言葉の通りに子孫を増やすわけです。一度に勢ぞろいで登熟しないことで、台風などの気象災害や動物に一度に食われるリスクも回避できます。
熟したかな、という頃合いの穂を一本づつ穂刈りします。触ってみてポロっと粒がこぼれるくらいのところで刈らないと粒が全部落ちてしまうので、その辺の手間は大変です。本当はもっとたくさん作りたいのですが、それゆえなかなか栽培を増やせません。むしろ受講生の皆さんに種もみをお分けする形です。

さとやま農学校2024コース説明会

タイトルとURLをコピーしました