今年(2023)はウメも豊作でしたが、猛暑のおかげかあるいは「大地の再生」で気穴を開けたこともあるのでしょうか、柿も近年にない大豊作です。無農薬栽培の甘柿は、完熟するとヘタの下に虫が入ってくるので保存は難しい。そしてとても食べきれないので柿酢を作ります。
今年は、冬の間にカキの樹全体を低く剪定したので、高枝切りなしでも楽に収穫できます。剪定は自然栽培の「切り上げ剪定」の手法です。これもウメと同じですね。つまり太い枝から垂直に伸びた枝に実をつけさせました。そのことで、実るにつれて枝が垂れてきてくれます。
ご覧のように熟度がまちまちなので、何回かに分けて収穫して柿酢にします。これが一度に熟したら猛暑のなかでの収穫も大変なことになるので、このペースでいいです。本当はもっと遅い方が涼しくなってありがたいのですが、仕方ないですね。
たわわに実ったカキは、できるだけ完熟させます。もちろん鳥に食われるのもお互い様の分かち合いです。いつも虫を食べたり糞をしたりしてくれるのですから、そのお礼。
カキの木陰でコムラサキシキブが可憐な花を咲かせています。ムラサキシキブよりも小ぶりで、可愛い実が密生しています。日本のハーブともいえるコムラサキシキブですが、概して日本のハーブ類は半日陰を好むものが多いですね。山がちの国ですから自然なことでしょう。自然農やパーマカルチャーの果樹園は、同じものばかり植えるのでなく、木の下に低木類やミョウガやワイルドストロベリーなど日陰を好むもの、地衣類、分解者としてのキノコ、鳥の好む実をつけるもの、蝶を呼ぶフジバカマやハチを呼ぶソバ、クローバーなどを混在させています。多様性こそが基本です。
ここまで熟すと、ほんのりとアルコール醗酵の匂いもしてきます。虫食いのヘタのあたりは除いてからガラス瓶に柿を放り込みます。あとは自然に醗酵して柿酢になる。柿酢は一番シンプルな醗酵食品といえます。
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