冬に向かって自然農の野菜畑も盛り上がってきました。
HPにも書いていますが「すどう農園」では、野菜は販売はしていません(ハーブは果樹は販売用に加工しています)。なので野菜は、周囲の皆さんと自給するか、それ以外は「こども食堂」「みんな食堂」など数か所にお届けしています。相模原市役所の若者支援課の方々や各地の草の根団体の皆さんが集荷から配達までやってくださるので、こちらはとにかく野菜を用意します。
野菜のお届けは、ほとんどが月の第3週です。第1週にすると正月が重なってしまうし、月中だとお盆にあたる。そんなような理由があるのでしょうね。なので、このところはお届けのための収穫が重なって、とりわけ冬野菜は葉物の収穫が多いので、畑にしゃがみっぱなしで腰も痛くなります。そろそろ足も冷える。
それでも不思議なことに、売るために収穫するよりも気持ちが前に向くものです。もちろん無料だからと言って手抜きはしません。規格外の野菜を出すということもありません(そもそも、すどう農園の野菜には規格という発想がないので)一般的な収穫と同じように厳選してお届けします。
そして昨年はボランティアの方々に、畑の作業をお手伝い頂いたこともありました。あの時はありがとうございました。けれども今年は一人でやります。ボランティアのお気持ちのある方は、どうか皆さんご自身の周囲を見渡してください。何かご自身の周囲に、手渡せるものがあるのではないでしょうか。それはモノでもいいしサービスでもいいと思います。他の人にシェアできる何かが、あなたにあるはず。どうか、それを手渡してください。おそらくそのほうが良い。あなたが新しい「仲間」と繋がっていく一歩になると思います。この「仲間」という言葉が、今とても大事に思えます。
映画「リップ・ヴァン・ウィンクルの花嫁」を観ました(岩井俊二監督は同い年です)
主演の黒木華もよかったけれど、相方(綾野剛)の演じる怪しげなヨロズ屋青年は、とても噛み応えのある役どころ。劇団俳優というマルチな立場を活かして、仲間に声をかけてグレーな仕事でもなんでもやる。だから怪しいけれど、周囲がつい頼ってしまうキャラクターです。不思議なことに、彼は人をハメることもあるけれど、そのハメた相手に優しくもするから、どうやら損得勘定だけで動いているわけでないらしい。人に出会った瞬間に、直感的に相手との間に見えない糸をピッと張って、それでたちまち「仲間」になる。主人公が恐縮しながらお礼を言うたびに「いいんです。あなたは仲間の紹介ですから」と青年はさらっと言います。「仲間」とのつながりは、損得を越えて大事であるらしい。またここで「仲間」という言葉が出てきました。この「仲間」というのが、今の私(すどう農園)にとっても、とても大事な言葉なのです。ぜひ作品をご覧ください。仲間とは何か、いま私たちは何を拠り所に生きていくけるのか・・・を現代に描いた名作です。
というわけで本題に入ります(というか、上に書いたことも本題なのですが・・・)
★さとやま農学校のお申し込み受付が始まりました
11年目を迎える「さとやま農学校」は、まったくの初心者でも自給のための自然農をじっくり学べる教室です。都会の貸し農園では得られない広い里山の空間で、同じ気持ちを持った人たちと一緒に五感を開放してください。気候変動をはじめとする不安定な時代のなかで、私たちの拠り所は大地であり、そして大地に拠って立つ人間同士であると思います。上に書いた「仲間」という言葉が、私のなかでは「人間同士」という言葉につながってきます。普段は別々の場所にいるのですから、とりわけ縛りあうわけでもない、でも、お互いに想うことがどこかで通じる「仲間」がいる。それだけでもとても大きなことと思うのです。
曜日の違う4コースがありますが、都会で働く皆さんのニーズに合わせてフレキシブルなシステムで通いやすくなっています。5月からは振り替えも可能です。
まずは「さとやま農学校」「日程と費用」のページをご覧のうえ、できれば「説明会」にご参加いただくか、どうしても日程のご都合が合わない方は直接お申し込みください。