自然栽培の梅に想う

自然農&里山暮らし

こんにちは。


神奈川の里山で自然栽培で梅などの果樹を育てる「すどう農園」です。

2024年の仕事始めの一つが、自然栽培で育ている梅の剪定です。「すどう農園」では、ウメだけでなく、すべての果樹・花木・ハーブ・野菜を自然栽培で育てています。農薬も肥料も使わない栽培です。南米から始まったアグロフォレストリーやパーマカルチャーなど、空間を重層的にデザインする手法を参考にしています。ただし、両者とも、表面的なテクニックをまねただけだと、ただ単に森と畑を組み合わせるというだけになりかねません。どうしてこのような思想と技術の体系が生まれたのか、その背景、とりわけアグロフォレストリーの場合には、欧米の植民地化によって豊かだった大地がバナナやコーヒーやサトウキビなど、収奪のための農園にされてしまった数世紀に及ぶ背景があります。
日本の場合には植民地化ということはありませんでしたし、むしろ収奪に加担してきた側ですが、それでは農地が本来の里山のような多様性を維持しているかというと、決してそうとは言えないわけです。そもそも山林の多くは戦後の拡大造林政策で一気呵成にスギやヒノキになってしまいました。今や林道さえつけられない山のてっぺんにまで、こうした樹が密生しているのは、多様性を無視して、何か一つの物に集中してしまったツケです。

さてその梅ですが、昨年はおかげさまで豊作でした。
そして今年は、どうでしょう?
毎年の気候変動に小手先の対応は通用しません。基本をブレさせず、しっかり根を張った元気な樹でいること、そして多様な世界、循環、自律のある世界に整えてあげること、それに尽きるでしょう。

仕事始めの梅の仕上げを見て回ると、去年の古い巣があります。ここから鳥たちは無事に巣立ったのでしょうか。鳥は農園の大事な仲間です。虫を食べ、草の種を食べ、糞の中にはリン酸などの栄養分はもちろん、クワの実などがあれば、そのまま芽生えることもあります。だから鳥はもっともっと来て欲しい。鳥たちが平和に暮らせるような農園が一つの理想形です。

梅のツボミも膨らんできました。このままいけば今月中に咲きだす花もあるでしょう。今年もまた、夜の梅の香りが愉しめることでしょう。梅以外にも、鳥を呼ぶ樹、蝶を呼ぶ樹、ハチを呼ぶものなどなど、色々植えました。

まだ植える場所はあるのですが、いったん呼吸をして、今年は様子を見ます。あとから段々と足していけばいいかな。パーマカルチャーでもそうですが、デザインというのは、紙の上で一度にやらないほうが良いです。とりわけ初心者の場合、初めは嬉しいものだから、夢を描きこみ過ぎてデザイン倒れに終わるのですね。初めに大枠を創ったら、そこから先は段々と「身の程」に相談しながら作っていくものです。特に苗木は一度植えてしまうと、簡単には移動できません。まずは落ち着いてゆっくりと。

自然栽培を学ぶ「さとやま農学校2024」説明会を追加開催します

昨年暮れのインフルエンザの流行は、もうしばらく続きそうですので、2月の立春からもう一度「」さとやま農学校説明会」を追加で開催します。風でキャンセルされた方がだいぶ多かったので、今回の追加となりました。立春を過ぎると春の気配ですので、軽い体験作業も交えて説明会とします。おそらく梅も花盛りでしょう。
下のページからお申し込みください。

さとやま農学校2024コース 追加の説明会


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