「奥会津の木地師」を観て~姫田忠義没後10周年

民族文化映像研究所・姫田忠義さん没後10年として民族映像文化研究所による上映会に行ってきました。会場は水道橋のアテネフランセ。都心に来るのも久しぶり。

上映作品は、姫田監督の数々の作品の中でも名作と言われる「奥会津の木地師」です。わずか1時間弱の上映でした。最前列に陣取って、1シーンたりとも見逃すまいと画面の隅々まで凝視しました。

木地師とは、おおむね百年前の職能集団であり、山から山へと移りながらお椀などの器を削り出すのを生業とする移動する民です。森の一隅を拓いて木を伐り、その木を挿しかけて小屋を作るシーンだけで上映時間の半分以上ありました。6月の蒸し暑い最中の作業の過酷さ、しかも切ったばかりの生木がどれほど重いかを幾分なりとも知っている人には、どれほどの作業か肌身で分かるし、それを咥え煙草で粛々と再現する会津の里の人たちの凄みも淡々と伝わってくるのです。そして作業の早いこと!なんというか、人間・動物といった範疇を越えてもっと根源的な生き物の原型が見えてくる。これはやはり撮影のチカラもあるのでしょう。

これは是非もう一度、自分で借り受けて上映会をしようと決めました。ただ上映するだけでなく、見終えた後で、いくつかのシーンを抽出するようにして参加者と詳しく改題していくような集まりにしたいものです。年明けからカフェスローで大地の再生の藤井麻紀子さんの連続講座があり、あるいは日本のトランジション運動の先駆けを作ってくれた藤野の榎本ヒデさんの連続講座も始まるので、それらがひと段落した夏がいいかと思っています。講座を修了した皆さんとクロスオーバーしながら反芻してみたい。

この貴重な上映会そのものはまだ続きます。是非観に行ってください。

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